【かぐや】「浮き輪が……。どこかに流されたんでしょうか……」
【春秋】「大丈夫。ボクに掴まってて」
ボクは月詠さんを抱き寄せて、しっかりと腕を回す。
泳げない人が、命綱とも言える浮き輪を失くしたのは、すごく不安なはずだ。
ボクが、その不安を拭い取ってあげなくちゃ。
【春秋】「このまま、浜辺まで泳いでいくから。ほんのちょっと、我慢してね」
【かぐや】「え? 浜辺に行くんですか?」
【春秋】「え? だって泳げないのに、浮き輪もなくなってるんだよ
【かぐや】「…………」
あれ? 月詠さん、黙り込んでしまったぞ?
ボク何か、おかしな事言ったかな