【男】「……ふむ。質素ながら、綺麗にまとまった部屋だね」
【さとみ】「はい。お兄ちゃん、几帳面なんで」

兄と異なる男性を、兄の部屋に招き入れたのは、さとみだった。
彼にもっといろんなことを教えてもらいたいと、そう考えての行動だった。

【さとみ】「えっと……漫画本、ですか?」
【男】「うん。お兄ちゃんの私物だろうけどね」

男に指示される前に、さとみがベッドの下で見つけた本のページをめくっていく。

【さとみ】「うわ……わわわ……」

読み切りタイプの漫画が並ぶ中、どの話でも必ずあのシーンがあった。

【男】「どうやら、キミのお兄さんは口淫が好きらしいね」
【さとみ】「こう……いん? なんですか、それ」
【男】「口で淫らなことをする、と書くんだ。その本の通り、フェラチオとも言うけどね」
【男】「その本に描かれている女の子たちが、していることだよ」

【さとみ】「女の子たちが……えっと、男の人のお股に顔を埋めてる、これのことですか……?」

ずばり、さとみが指差したコマは、漫画の中で女の子が口腔に子種を受けている場面だった。

【さとみ】「こんなこと、本当にできるのかな……漫画の中だけじゃないのかな……」
【男】「付き合っている男女なら、普通にしていることだよ」
【さとみ】「ホントですか? じゃあ、私もやってみます!」

兄が大好きな行為であると判明したとき、彼女の決断は、早かった。
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