自分のものじゃない何かが、私の肌を直接撫でている。
私がお風呂でする時、指で触れる場所。この人の指は今、そのあたりをうろうろしている。
他人にこんなことをされるなんて、当然生まれてはじめてだ。

【さとみ】「私なら……大丈夫です。ただ触れられただけで戸惑ってちゃ、先に進めませんしね」

でも、怖じ気づいてなんていられない。
これも、全部が全部、お兄ちゃんのためなんだから。

【さとみ】「なので、早く私に、悦びというものを教えてください」
【男】「……ふむ、あまり緊張はしていないみたいだね」
【さとみ】「多少は緊張もありますけど、期待のほうが大きいんです」
【さとみ】「だって、この私の身体が、
      お兄ちゃんを悦ばせられる身体に生まれ変わっちゃうんですよね」
【さとみ】「私、今からどきどきしてます。早くそうなりたいって、心臓が高鳴ってるんです」

【男】「……凄いね。そこまでお兄ちゃんのことを想っていられるなんて」
【男】「恥ずかしいだろうに、我慢して……キミの精神力には、敬意を表さないといけないな」

はやく、はやく……梨緒さんに負けない、お兄ちゃん好みの身体にならなくちゃ……!!
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