【幸】「ほら、網に手をついて。お尻をこっちに向けるの」
【慎吾】「は、長谷部さん……何をする気なの?」

僕は金網の前に立たされて、お尻を後ろに突き出さされる。
ズボンとパンツが膝まで降ろされて、下半身の大事な部分が、
全部露出している。
体勢も、格好も、恥ずかしい……。

【幸】「昨日は、縛るのと恥ずかしくさせるの、同時にやってみたから」
【幸】「今日は、痛いのでキミの事、喜ばせてみようと思うの」
【慎吾】「い、痛いの!?」
【幸】「行くよ、せ〜〜のっ……」
【慎吾】「ふはぁああああ!?」

ぱちーんと音が鳴って、僕のお尻の表面が、波打つ。
一瞬後からじんじんする痛みが、湧き上がる。
お尻、叩かれた!?

【幸】「えいっ! えいっ! えいっ!」
【慎吾】「ひっ、んんっ! くふぅうう!」
【幸】「え〜〜い!」
【慎吾】「つぁあああ!」

長谷部さんは大きく腕を動かして、僕のお尻に叩きつける!
大きく開いた手の平が、ばしばしお尻の表面に当たって、
その部分に痛みを生み出す。

【幸】「まだまだ、こんなものじゃ、満足しきれないでしょ?
    それ、それ!」
【慎吾】「やうっ! あっ、ああぁ! は、長谷部さん! こんなの嫌だ!」
【幸】「え? どうして?」
【幸】「マゾなんだから、痛いので気持ちよくなるんでしょう?」
【慎吾】「ち、違う! 僕はマゾなんかじゃ!」
【幸】「ふぅん。じゃあ、そのおちんちんは、なんなの!?」
【慎吾】「はぁああああ!」

長谷部さんの手が振り下ろされ、すぱーんと小気味良い音が、
屋上に響く。
その震動で揺れるペニスは、垂れさがるのをやめて、
頭を持ち上げていた。

【幸】「勃起してるよねぇ、それって。お尻叩かれて、
    興奮したって事だよね」
【幸】「それなのに、マゾじゃないって言い張るんだ?」
【慎吾】「こ、これは……。叩かれたからとかじゃ、なくて……」
【幸】「ふふ。分かってるよ、慎吾くん」
【慎吾】「え?」
【幸】「Mの人って、わざと嫌がっている振りをして、
    相手を煽るんでしょう?」
【幸】「もっと責めて欲しいって。ちゃんとあたし、勉強しているんだから」

い、いったい長谷部さんは、何を参考にしているんだ!?
これじゃあどんな態度をとっても、全部都合の良いように、
解釈されてしまうじゃないか!

【幸】「ほら、受け取りなさい! キミの求めていたものよ」
【慎吾】「ひっ、はあああ! 違う! ほんとに違うの!」
【幸】「まだあたしの言葉、否定するんだ。これくらいじゃ、
    物足りないのね」
【幸】「いいわ。もっとばんばん叩いてあげる!」
【慎吾】「ひぃいいいいい!!」
【幸】「えいっ! えいっ! えーーい!」

ばしばしと、長谷部さんの手が打ち下ろされて。
もうお尻の表面で、叩かれていない場所なんか、どこにも無い。