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 | よく来たな、愚民ども。 |
 | この場所では大魔王たる余が、貴様らを少しでもマシな被支配層にするために、直々に教育してやる。光栄に思うがよい。 |
 | ちゃんと聞いてくださいね〜。 |
 | さて、まず最初は余が支配するべき世界の構造についてだ。この世界の住人どもは、『内』と『外』さえ認知しておらんようだからな。 |
 | 故に、言葉だけで伝えても分かるまい。みのり、用意してあるな? |
 | は〜い。これですね。 |
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 | なんだぁ? この下手糞な絵は。 |
 | あ〜! 酷いですよ、ホロビ様! わたしが頑張って描いたのに! |
 | ……まぁよい。これを見れば分かるとおり、貴様らが『この世界』や『全宇宙』などと呼んでいるものは、幾つも存在する浮島の一つでしかないという事が分かるだろう。 |
 | その外側となると、貴様ら下等生物は認識すら出来ていないようだ。だが、大抵の世界の連中は、自分の浮島から飛び出し、別の浮島へ行く術を心得ている。 |
 | なので便宜上、各浮島の内部を『内』、それらが浮かぶ外側を『外』と呼ぶのだ。 |
 | 春秋ちゃん家に来る前は、わたし達、いっぱい色んなところへ行きましたよね。 |
 | うむ。これも全ては、世界征服の為。 |
 | 余が支配するべき領域は、この『内』『外』全てだ。貴様らのいう『全世界』等という、せせこましいスケールで考えるなよ? |
 | みんなの居る場所も、もうすぐホロビ様のものになるから、楽しみにしててね〜。 |
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